「遠雷」


お前は知らないのだから
話してやるよ
あの頃の抜刀斎ときたら
その自分の剣の切っ先のように
研ぎ澄まされ
輝き
冷たい炎を放っていた
あの蒼い眼に射すくめられたら
一歩も動けなくなった
そうして
散らされた命が
いったいいくつ有ったと思う?
一瞬にして捕らえられた魂が
いくつ有ったと思う?

ああ
抱いたさ
奴の「その声」を聞き
「その肌」に触れた
威嚇するような声
血の匂いのする肌
挑みかかるような交わい

俺はその時確信した
そう
こいつは「ケモノ」だと




「遠雷」より  城みづき

★「遠雷」はまだ発表されていない作品です。
ええ、いつか必ず・・・